2017年11月14日火曜日

世界を壊さなかった灰羽連盟

灰羽連盟がなぜ好きかを考えていたら,世界(観)を最後まで壊さなかったからでは,ということに思い至った.
物語のパターンとして,1 異世界への招待と受容→2 問題,困難の出現,苦悩→3 既存ルールの破壊による救済
がある.

  • 魔法少女入門→マミる→神へ
  • 聖杯戦争→聖杯の正体→破壊

みたいな.世界観が清濁合わせて馴染んだ所で,その破壊によってクライマックスを迎える.

灰羽でいえば,井戸でトーガと会ったところで,外部の情報を得る/出ることがあれば,「世界の外」に出ることになったと思う.

でもそうはならなかった.あの世界でおそらく何度かあったできごとのひとつに過ぎないように処理された.世界の破壊がないので,最終話後も同じ世界が続いているという感覚が強く残る.それでいて,レキの巣立ちで物語は一区切りついている.物語に触れて10年経つが,今も折にふれて思い出す心地よさ.